円形脱毛症の治療について
円形脱毛症の治療は急性期(進行期)と症状固定期で若干異なる場合があります。当院では日本皮膚科学会より出されている「円形脱毛症診療ガイドライン」に準じて診断、治療を行っております。
1. 急性期、症状固定期とも使用する治療
- ステロイド外用
- カルプロニウム外用(フロジン®外用液)
- セファランチン®内服
- グリチロン®配合錠内服
- 長波・中波紫外線療法(narrow-band UVB 療法、PUVA 療法、エキシマライト)・・・当院ではnarrow-band UVB 療法を行っております。
- 凍結療法・・・当院では液体窒素凍結療法(スプレー式と圧抵式)を行っております。
- 漢方薬内服
2. 急性期のみ使用する治療
- 静脈注射によるステロイドパルス療法・・・当院では3日間連続して通院できる方に行っております。発症から6カ月以内であれば効果が期待できる一方、6か月を過ぎれば発毛効果はかなり下がる治療法です。よって発症後急速に進行する円形脱毛症に対しては積極的に行っておりますが、脱毛が固定期に来てしまうと投与は行いません。また糖尿病の方など一部投与が難しい患者さんもいます。
3. 症状固定期のみ使用する治療
- ステロイド局所注射・・・範囲が小さい脱毛症には効果があり、4~6週に1回程度行います。外用、内服による治療より効果は期待できる反面、痛い治療であり、注射部位の出血もあります。
- 局所免疫療法(SADBEなどでかぶれを起こし発毛を促す治療)・・・保険適応が無い治療法であり、当院では行っておりません。
以上が円形脱毛症に対する標準的な治療法ですが、長波・中波紫外線療法が2020年に正式に保険適応となったこと、「円形脱毛症診療ガイドライン」が2010年に初めてできて、静脈注射によるステロイドパルス療法が推奨されるようになったこと以外の治療法は、院長が医師になった20数年前とほとんど変わっておりませんでした。
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