2024.11.08
お知らせするのを失念しておりましたが、実は2024年4月より難治性の慢性蕁麻疹、重症スギ花粉症の治療薬である「ゾレア皮下注射(150㎎シリンジ)」の価格がこれまでよりも約25%ほど安くなっておりました。
そして2024年8月下旬に、この「ゾレア皮下注射」のペン製剤(150㎎と300㎎)が発売されました。これまでゾレア皮下注射はシリンジ製剤(注射筒に針が付いているタイプ)しか出ておらず、自己注射を勧めても自分で針を刺すのが怖いという理由で断られる患者さんが多く見られました。このペン製剤が出たことで、これまで慢性蕁麻疹に対し院内で毎月シリンジ製剤を注射していた患者さんへ自己注射を積極的に勧めており、皆さん問題なく注射できております。自己注射(ペン製剤を処方)に至るまでには院内で最低2回は自己注射の手技について看護師より指導を受けて頂きます。
自己注射が出来るメリットは自宅で注射が出来るので、通院間隔を広げることが出来ることに尽きます(最高で3本まで処方可能です)。仕事や学校の都合で月1回の通院が困難な方、遠方に住んでいる方には非常に良い方法です。ただし、現時点では重症スギ花粉症に対する自己注射は認められておりません。
なお、当院の院内では150㎎ペン製剤のみ扱っております。これを2本打つのですが、1本は看護師が、1本は患者さんご本人が看護師の指導の下打ってもらうため、150㎎のみ導入しております。ただ、院外処方の場合は300㎎ペン製剤で処方することがほとんどです。300㎎の方が注射を打つ本数が1本で済みますし、実は薬剤費も150㎎を2本打つより300㎎を1本打つ方が3割負担の方で約1000円ほどお安くなります。患者さんの自己負担を減らすためにも、300㎎ペン製剤での自己注射をどんどん進めていきたいと思っております。
このゾレアのペン製剤ですが、2024年11月時点で八戸市内の皮膚科常勤医がいる医療機関(総合病院と開業医)で院内に採用されているのは当院のみのようです。よって、他院で月1回シリンジ製剤を注射している方で、自己注射をやりたい、通院回数を少なくしたい、とお考えの方がいれば、当院へ御相談されても結構です(紹介状は不要です)。