2023.11.06
アトピー性皮膚炎治療薬であるデュピクセント®が、「既存治療で効果不十分な結節性痒疹(けっせつせいようしん」)」に対し、適応追加となりました。なんと、「結節性痒疹」という疾患に対し保険適応が通った、70年ぶりの薬剤です。
結節性痒疹は、強いかゆみのある赤や茶色のドーム状の硬い盛り上がり(結節性病変)が多数できる疾患です。強いかゆみや皮膚症状により患者さんのQOLは大きく低下します。この病気はアトピー性皮膚炎と同様に、IL-4、IL-13をはじめとするサイトカインや、その他様々な物質が皮膚の炎症やかゆみを引き起こすとされており、繰り返し掻くことでかゆみを伴う結節性病変を生じています。
当院では既にIL-4/13受容体モノクローナル抗体であるデュピクセント🄬をアトピー性皮膚炎の治療として数多く使用しておりますが、非常によく効き、皮疹やかゆみは劇的に改善する方が多い印象です。結節性痒疹にも同じような効果を期待しております。なお、これまでの治療歴・治療内容や症状の強さでデュピクセント投与の適応があるかどうかを判断します。適応年齢はアトピー性皮膚炎と同様、15歳以上です。
結節性痒疹で長い間お困りの方は、是非ご相談下さい。また、他院で「痒疹(ようしん)」と言われ治療するも改善に乏しい患者さんも、一度受診されご相談下さい。その皮疹が”結節性”痒疹であれば、デュピクセント適応の可能性がありますので。